サイボウズの一大プライベートイベントとして開催されてきた「Cybozu Days」。5年目となった今年は kintone エバンジェリストが一堂に集う「kintone EvaCamp 2020」を、大阪会場の特別講演枠として開催しました。
コロナ禍の中、イベント自体はオンラインで開催しましたが、この日のために全国から11名の kintone エバンジェリストが集結、kintone に関してのアツいディスカッションを繰り広げました!
ハッシュタグ「#kintoneエバンジェリスト」でも当日の様子が伺えます。併せてご覧ください。
ディスカッションは前半・後半2つのチームに分かれて行われました。
まずは前半チームのディスカッションをレポートいたします。
テーマ1. kintone の得意なこと、不得意な事を語る
一見、汎用性が高くなんでもできそうなkintone。そんな kintoneにも得意なことと不得意なことがあると言います。日々それらと向き合っているエバンジェリストの皆さんにそれぞれ語っていただきました。
浅賀:得意なことはシステムを作り替えやすいこと。kintone はドラッグアンドドロップでシステムを作りやすく、最近ではよく聞くようになった対面開発でもシステムを作っていくことができます。
逆に不得意な事は、良くも悪くもできる事が限られている。リプレイスで以前使っていたシステムをそのまま kintone に移行するのはなかなか難しいと思います。あとは Web のシステムなので、Access やExcelに比べるとレスポンスは落ちますね。
お客様に説明する時には、後々誤解が生じないように、限界があるという点を含めてkintone の良いところ、悪いところを最初にお伝えしています。
また、最近はアプリに加えてコミュニケーション機能の面で良いねと言われる事があります。スレッドでのやり取り、いいねボタンあたりは有効に使っていただいている感じです。
斎藤:kintone はサイボウズがグループウェアと言っている通り「人が何かアクションを起こして何かを為す」ツールなのかなと思います。データを入れる、誰かにメッセージを送る、基本的には誰かが画面を見て操作をすることで業務が回っていく、というのが得意な事ではないでしょうか。
一方で、不得意なことは真逆のことになりますね。例えば毎日0時にデータを書き換えたい、月次で何かをやりたいとか、そういうのはできないです。一般的に「なんでもできる業務システム」と捉えない方がみんなも幸せになるのかなと思います。
近年はいいサードパーティが出てきて、例えば krewDataとかデータコレクトとか。これらでは定時実行したり、AアプリのデータをリアルタイムにBアプリに反映させるという事ができます。プログラムが分からない人でも簡単に取り入れられるのでお勧めしています。
kintone の連携アプリはたくさん出てきていますが分野によっては「これはテッパンだ」というものが絞られてきていますし、新しいサービスが出てきた時には調べたり試してみたりを、エバンジェリストとして怠らずにやっています(笑)。
松田:先程の話にもありましたが、kintone はグループウェアだ、とサイボウズは言っています。コメントやスレッドを使ってコミュニケーションを取っていく、というのはすごくいい話ではありますが、いわゆる「グループウェア」として使いたい機能、スケジュール管理や掲示板、ポータルなどを総合的に考えたときに、kintone はまだまだなのかなと思います。「サイボウズ Office」や「Garoon」など他の製品と連携して使えば良いのですが、連携の部分においてはまだまだな部分が多く、不得意に感じます。
kintone というとまずアプリと言われますが、システムを使ったことがない人からすると結構ハードルが高い。クリックする回数が多かったり、クリックする場所が分からなかったり。そういう人にはまず、スペースのスレッドを使って、普段メールでやり取りしているようなコミュニケーションをしてもらうと良いと思います。また、kintone はアプリが見つけにくいので、ナビゲーションとしてスペースやスレッドを使うのも良いと思います。
久米:まず何においても試してみるのが重要かと思います。最初からアプリを使うのではなくて、まずは試してみてその後みんなでもっと良くできないかと考えて変えていく。
kintone って「変え続けられる」事がとても良いので、まずは使ってみてダメなら変えてみる。それがいいのかなと思います。
まとめ
kintone はなんでもできる業務システムではない!
kintone は「変え続けられる」。だからとにかく試して、ダメなら変えてみよう!
いきなりアプリを使うのが難しければ、まずはスペースやスレッドから慣れるのも手!
テーマ2. kintone とコミュニティ
続いては、前半チーム2つ目のテーマです。世の中にWebシステムは数多く存在しますが、その中でもkintoneの強みと言えるのがユーザーコミュニティの存在です。kintone コミュニティを黎明期から牽引してきた kintone エバンジェリストの皆さんにその魅力を語っていただきましょう。
久米:私は kintone Café 福岡を 7〜8年運営しています。最初は自分も「知りたい」という気持ちから始めたのですが、そこに集う様々な人々が「つながっていく」のがすごく面白いな、と思っています。大人になると、なかなか他の会社の人と出会ったり繋がったりという機会が少なくなってしまうのですが、kintone という一つの興味・関心のあるものに、色々な業種の人達が集まって広がっていくのでとても面白いと感じています。
kintone には、kintone hiveのような大きな場に出てくる人でも、最初は「kintone Café というユーザーコミュニティがあって良かった、一人で悩んでいたけれど頑張れました」という声を聞くことが多く、kintone Café 福岡の主催者としてはすごく嬉しいし、これからも気持ちを込めて開催していきたいと感じています。
片岡:私はkintone Café 高知をやっています。年2回、最近は 10 月にも開催しました。そこで出会う人たちとの交流の中で生まれるものがたくさんあるので、コミュニティは大事だなと感じています。他のユーザーコミュニティにもいくつか参加しているのですが、kintone のコミュニティって気さく、気楽だなというのが特徴だと思います。初心者にも優しい。
kintone だけじゃなくて、他のITをやっている人とつながるきっかけにもなり、繋がりやネットワークを広げていくという意味でもすごくいい場になっています。
僕は四国にいますので、高知・愛媛・香川・徳島の4県が連携して大きくなっていけば嬉しいなと思います。
斎藤:他のコミュニティって技術者寄りのものが多かったりするのですが、kintone は技術者だけでなくビジネスユーザーも含めてみんなで使うものなので、そういう人たちが集まれる場ということで敷居が低いのかなと思います。
一同:kintone Café という名前も優しくていいですね!斎藤さん(笑)
※kintone Café は創始者である斎藤さんが名付け親です。
細谷:私も最初、勉強会への参加から始めたのですが、次のステップに進むにはコミュニティへ参加することがとても大事だと思っています。たくさんの他の事例を聞けるのは自分の知識にもなります。また、コミュニティで皆さんと繋がって自分で勉強会を開くようになり、小さい勉強会を開くうちに、エバンジェリストになってみないかというお声がけをいただいたので、コミュニティがあって良かったなという感じです。
私は kintone のコミュニティの前に、Wordpress のコミュニティに参加して勉強会に登壇させてもらったり、情報共有していました。元々 Wordpress 好きということもあり、Wordpress と kintone を繋ぐプラグインを使い、Wordpress 公式コミュニティの中で紹介して使っていただくようにしています。そのプラグインは、自分が担当するNPOの案件の中から生まれたのですが、コアな部分だけ公開して、あとはNPOに応じてカスタマイズして使っています。プラグイン自体は公開しているので皆さんどんどん使って広げていってください。
斎藤:私はこの前、kintone Café 釧路に参加してきました。kintone Café の変遷として、最初は技術者が多かったのですが、最近はユーザーの方々が事例などを発表する事も多く、本当の意味で「みんなが kintone をどう活用するか」という学びの場に進化しているなと感じます。
松田:今年のkintone Café はオンラインでの開催も多かったですね。オフラインだと実際その場に行かなくてはいけないけれど、オンラインだと気軽に参加できますね。オンラインでkintone Café の雰囲気を感じてもらい、リアルな開催の時に近くの会場に行ってみようとか、そういう気持ちに繋がってもらえるんじゃないかと感じました。
久米:今年の kintone Café Japan もオンラインで開催しました。4時間半の開催時間中に、常時 80人ぐらいは参加してくださっていました。「初めて登壇します」という方も多くいらっしゃって、色々な人の経験の場になっているんだな、と感じました。
とはいえ、私たちもオフラインで開かれる楽しみも感じているので、その辺りは少し寂しいな、という感覚もあります。1月には福岡もやるので、ぜひお越しください!
まとめ
他の人の事例を学び、繋がるという意味でも kintone Caféは結構いい!
最近は技術者だけでなく、ユーザーの人もたくさん参加している!初心者にも優しい!
いきなりリアル開催に参加するのが難しそうなら、オンラインに参加して雰囲気を感じ取るのもアリ?
いかがだったでしょうか。
エバンジェリストならではの知識や経験、大変中身の濃い話を伺うことができました。
EvaCamp 2020 はまだまだこれでは終わりません。続けて次回は、後半チームの様子をレポートしたいと思います!お楽しみに。
なお、当日の様子をこちらから動画でご覧いただくことができます。
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