今野 愛菜さん
愛犬と一緒に過ごす時間を増やしたい、そんな思いから社内でkintoneの導入・推進を始めた今野さん。現在は本業だけでなく、複業でもkintoneに関連した仕事や繋がりが増えているそうです。今回は今野さんに業務改善職についてのお話や働き方の変化、コミュニティでの人との出会いなどについて伺いました。
kintoneを通して自分のやりたい事・自己実現のための手段も見つけることができた
今野さんは北海道で電気設備工事・LED化工事を営む相互電業株式会社に勤めています。現在は社内でkintoneを用いた業務改善に取り組んでいますが、最初は経理担当として入社したそうです。kintoneの導入を経験したことで次第に社外での活動も増え、社内での役割も変化したと言います。
「相互電業では、主に業務改善を担当しています。具体的には、問題解決のプロジェクトチームに入って社員と話し合いをしたり、何か社内で新しく要望が出た際にkintoneのアプリを作って修正をするなどしています。今の会社では最初経理担当からスタートしたのですが、現在は業務改善・ワークショップや研修も担当しています。社内での業務内容が変化した背景としては、kintone導入後に社外での活動が増えてきて社内でできる事が増えていった為、経理の仕事を別の方にお任せしたいと感じるようになったことが原因です。同時に業務改善に興味を持つようになったので、そのタイミングで社長に正直にその思いを相談しました。そうすると社長からは『社内で業務改善の担当をしてほしい』と言っていただけました。」
現在今野さんは株式会社MOVEDでの複業や個人での活動など、様々な場所で幅広く仕事をしています。またサイボウズの問題解決メソッドを用いたワークショップを行っているということで、そのことについても詳細を教えていただきました。 「MOVEDには個人事業主として所属しています。またそれ以外にも個人の活動をしていて、様々な組織で業務改善の話をしたり、kintoneの導入支援・ワークショップを実施したりもしています。その際、サイボウズさんの『問題解決メソッド』というフレームワークが凄く好きでよく実施しています。
最近は、自分のわがままが叶っていない所を問題だと考えた時に、どう問題解決するのが良いか?”という内容でワークショップを行いました。いきなり業務の話ではなく、自分ごと化しやすい自分のわがままをテーマに事実と解釈を実際に分けてみるとコツが掴みやすく最初は良いと考えています。
私自身kintoneを使い始めた時、業務改善を進めるためにはどういった考え方が必要なのかが分かりませんでした。そんな時サイボウズ式で『嫌われる勇気』の著者である岸さんと青野社長の対談記事を読み、その内容にすごく共感しました。特に『チームのことだけ考えた』を読んで感銘を受け、社長にも本を渡して"私もこういう組織で働きたい!" と伝えました。そこからサイボウズさんのチームワーク総研の研修も受け、問題解決メソッドにも出会いました。」
今野さんはワークショップでインストラクターとしても活動しています。組織における上流知識をインプットしようと思ったきっかけを教えてください。
「2019年にCybozu Daysでkintone エバンジェリストの矢内さんに初めてお会いしたのですが、その時に誘っていただいたのがきっかけで様々なワークショップに参加するようになりました。ワークショップでは組織における経営状況やチーム全体のバランスなどを考慮しながら、全体最適や経営をゲームで体験し様々な気づきや学びを得ることができます。
私は過去に自社でkintoneの導入を広げていく時に失敗した経験があります。現場で働く社員に『今野さんの作ったアプリはいらないです』と言われてしまいました。現場が欲しいと思っていたアプリと私が実際に作ったアプリが全く違ったことが原因です。そういった視野の違いを埋めたり・共通言語を作り理想をすり合わせることなど、実際に体験しながら学び続けています。」
コミュニティは外の世界へと越境するのに適した場所
元々は知らない人の所に飛び込むのが得意ではなかったという今野さんですが、どのようにしてコミュニティの中で人との繋がりを深めていったのでしょうか。
「2019年のキンスキラジオへの出演がきっかけでkintoneユーザーの方と関わるようになりました。私は知らない人が沢山いる場所に自ら飛び込んでいくのは得意ではありません。そのため、最初はTwitterで同業種の人を見つけてDM送ることでコミュニケーションを取っていました。それは同業種の人がどんな風にkintoneを活用しているのか、またどんなことに悩みを抱えているのか、意見交換をしてみたいというモチベーションがあったからです。
また当時はkintoneのアプリをどう作れば良いのかが分かっていなかったので、学びたいと思いました。そこから色んな方と繋がってアウトプットの機会が増えていきました。例えば、松井さんに出会い『ラジオに出演しないか?』とお誘いをもらって、上司と一緒に自社のkintone 活用についてキンスキラジオでお話しました。ラジオ収録日がkintone Café 札幌に初めて現地参加した日で、この時に初めて他社のkintone事例を聞きました。そしてその次のkintone Café札幌で、運営の松永さんに誘っていただき初めて登壇を経験しました。
それまでは他の方の登壇を一方的に聞いていましたが、自分が発表をするとなると導入内容や考え方をまとめる必要があります。これは自分自身の理解にも繋がりましたし、色んな方から反応もいただけたので良かったです。またキンスキラジオを聞いてコメントを下さる方もいて、驚きでした。」
今野さんは2021年にkintone hive 仙台にご登壇し、kintone AWARDではグランプリを受賞されました。ご登壇のきっかけや、そこから生まれた人との繋がりについてお聞きしました。
「過去にkintone hiveの登壇経験がある方に、『kintoneコミュニティで出会う人も面白いけれどkintone hiveから生まれる繋がりも面白いし、出会いが増すよ!』と言われました。また自分自身も、kintone hiveなどの場で聞いたユーザーさんのリアルな声がとても勉強になっていたという実体験がありました。
まずは自分が今まで学んできた考えをまとめるつもりでエントリーをしました。登壇が決まって嬉しかったですが、その分プレッシャーも感じました。しかし登壇が決まったということは自分の事例がおそらく誰かの参考になるのだろうと思いましたし、少しでも誰かの背中を押せると良いなと思い出場しました。
kntone hiveの他の登壇者とは、今でもつながりがあります。特に私が出場した時は、登壇者全員でワンチームのような結束力があり、『今日は皆で盛り上げよう!』といった雰囲気が凄くありました。」
様々なきっかけを持ちながらコミュニティを通して多くの人との繋がりを育んできた今野さんですが、今野さんにとってコミュニティはどのような場所なのでしょうか。
「コミュニティは人との出会いを通して外の世界や新しい世界を見て自分の当たり前をアップデートできる場所です。私はあらゆる物事を越境していくことで人の価値観や見える景色が変わると思っています。コミュニティは自分の境界線を越えるのにとても適した場所です。自分が得るだけではなく、分からないところはお手伝いしたいし、自分が当時欲しいと思っていた情報も発信したり、もう少しでkintoneが活用できそうという方に対しては、共に残りのピースを埋める作業をしたいです。」
業務だけでなく人生までも改善してしまうkintoneを通して、これからも関わる人の助けになっていきたい
kintoneは汎用性が高く自由にシステム作りができるため、利用する側に委ねられる部分が大きいと考える今野さん。kintoneで人生が変わったというご自身の経験から、kintoneを使う上で大切にすべき考え方、そしてご自身が製品を通してどのような影響を受けてきたのかについてお聞きしました。
「kintoneは使い方次第で何でも作ることができる分、目的や業務フローを明確にできているのかどうか、システムを活用してどんな付加価値をつけていきたいのかを考える必要があります。そのためには、個人〜社内全体の様々な目線で詳細な動きを観察することも大切です。メンバー1人1人の視点が変わることで仕事への向き合い方も変化し、自社についてこれまでに無かった気づきを持てるようになります。
サービスや業務だけではなく、利用する人自身の人生が変わっていくのがkintoneですし、言うなれば人生まで改善してしまうようなツールです。私自身もkintoneで人生が変わった一人です。初めは事務員として毎日出社して働いていましたが、今ではフルリモートで大好きな愛犬と一緒に過ごしながら仕事ができています。これは過去の私が想像もしていなかった働き方です。自分の実体験をもとに、kintoneを通して関わる会社や人の人生が良くなるよう、一人一人と濃く関わりながらサポートしていきたいです。」
最後に、現在のエバンジェリストとしての活動と、今後の展望についてお聞きしました。
「エバンジェリストとしての活動は、SNSでの発信を中心に、その他イベントなど、リアルな場でのkintoneの伝道もしています。エバンジェリストになってから、kintoneや業務改善について様々な場で話をする機会が増えました。出会う方々が、次々とご自身や会社の理想を叶えていく姿を見られるのが楽しいです。これからもkintoneというツールを通して、自分が関わる人方々・会社が目指す理想を実現できるように、力になっていきたいです。」
今野さん、ありがとうございました!
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