「システムづくりはチームワーク」。“チームワークあふれる社会”を広めるために、kintoneに関わる人を照らし続けたい

AJS株式会社 / RossoAcademy
飯塚 洋平さん

システムエンジニアとしてキャリアをスタートし、新規事業として地方創生に挑む中でkintoneと出会った飯塚 洋平さん。
現在は「学びとつながりによるチームづくり」をコンセプトに、チームの立ち上げや業務構築を支援しながら、ポッドキャスト「kintoneエキスパートに聴く」や「学びとつながりとキントーン」でkintoneに関わる人々の声を発信し続けています。
今回はそんな飯塚さんに、kintoneとの出会いや、活動の根幹にある“チームワーク”への想い、そしてこれから描く未来についてお聞きしました。
最初は魅力が分からなかったkintone。一人で地方に乗り込んだとき、思い出した
飯塚さんがkintoneに出会ったのは2014年頃。当時は会社員として社員代表組織の運営に携わりながら、“イクメン”としても社内外で知られる存在だったそうです。
「働き方をもっと良くしたいという思いがあって、ワークライフバランスや女性活躍を発信していたサイボウズに興味を持ったんです。サイボウズのことも、当時は働き方改革を推進している会社として知っていたくらいで、kintoneの“キ”の字も知らない状態でイベントに行ったら、会場にkintoneのブースがあって、そこで出会ったのが最初です。」
その後、開発者ライセンスで試しに触ってみたものの、最初はピンとこなかったといいます。
「僕にとってはずっと、システム開発=スクラッチだったので、パッケージとスクラッチの“いいとこ取り”のようなkintoneの魅力が、正直分からなかったんです。『こういうツールがあるんだな』くらいでした。」
もうひとつ印象に残っているのが、当時、熱心に電話をかけてきてくれたサイボウズの新入社員。この縁が、のちに思わぬ形でつながっていきます。
転機は1〜2年後。飯塚さんは社内で、地方創生を新規ビジネスとして立ち上げたいと手を挙げました。
「それまでは、5人10人で何か月も、長ければ1年も2年もかけて作りあげるシステムしか作ってこなかった。でも地方にひとりで乗り込んで、『この人たちの仕事をもっと楽に便利にしたい』と思ったとき、一人の力で、しかも隙間時間でできることって何だろうと考えたんです。そこでkintoneを思い出しました。面白いことに、今度は僕のほうがサイボウズに電話をかけまくることになっていました(笑)。」
地域の観光マーケティングを支援するなかで、kintoneを使ったユニークな仕組みも作ったそうです。
「観光のプロモーションは、『今の風景を集める』では遅いんです。『去年の風景ですが、また見に来てくれませんか?』と発信できるように、素材をストックしておく必要がある。そこで、SNSの投稿や友達が多い地元の人をリストアップして、その人たちの投稿を1日1回自動でkintoneに取り込む仕組みを、プログラムができる同僚に作ってもらいました。写真のURLも取り込んで、結果的にその町の写真集のようなものができあがりました。」
この仕組みは、ある地域で数年にわたって活用されたそうです。当初魅力が分からなかったkintoneは、ひとりで挑む現場にぴたりとはまり、その後の活動につながる、原点ともいえる事例となりました。
13歳で読んだ一冊が教えてくれた「システムづくりはチームワーク」
出会った当初は「現場にハマるツール」くらいの存在だったkintoneが、今では飯塚さんの人生の軸の一つになっています。その変化を一言で表すなら、とお聞きすると、迷わずこう答えてくれました。
「サイボウズの理念である“チームワークあふれる社会”という言葉に、めちゃくちゃ共感している。それだけです。kintoneの開発って、言ってしまえばひとりでもできるじゃないですか。だから、kintoneを作りながらチームを語れる人って、実は意外といないと思うんです。組織論にまで触れている人はほとんどいない。だからこそ僕は『風土の上にツールがある』ということも含めて、そこを徹底的に広めたいんです。」
このチームワークへの共感には、中学生時代にさかのぼる原体験があるといいます。
「13歳頃に、ドラゴンクエストをつくった人たちの話を描いた漫画を読んだんです。ゲームの中の話じゃなくて、ゲームを作る側の話。シナリオ、音楽、キャラクターデザイン、プログラム、それぞれのプロとプロデューサーが、カセットに入る限られたデータ量のなかで『この音源を減らしたい』『このシナリオを消したい』とバチバチにぶつかりながら一つのものを作っていく。当時の僕にとってはゲーム=システムだったので、システムをつくるのはチームワークなんだと、そのときから思っていました。
だから就職するときも、なりたいのはプログラマーではなくシステムエンジニアでした。僕にとってシステムエンジニアは大工ではなく設計士で、お客様の求めていることを大工に伝える立場。お客様とプログラマーをつなぐのも、経理部門と営業をつなぐのも、やっていることは同じなんです。13歳で感じたことを30年以上ずっと思い続けてきて、そのことを胸を張って言葉にしてくれているのがサイボウズでした。」
一冊の漫画から始まった想いが、30年以上ぶれずに続いている、その一貫性からは飯塚さんの信念の強さが伺えます。
kintoneが好きなんじゃない。kintoneに関わる人が好き
エバンジェリストになるときには、kintoneへの想いや活動のあり方について悩んだ時期もあったそうです。そのとき行き着いた答えが、今の飯塚さんの軸になっています。
「『kintoneが好きなんじゃない、kintoneに関わる人が好き』とはっきりと言っています。それが一番の想いであり、当時悩んで出した答えであり、今では僕のあり方そのものだと思っています。kintone hiveやCybozu Daysのように、サイボウズのイベントに行けば毎年必ず会える人たちがいる。半年後、1年後にまた胸を張って会えるように、kintoneを触り続けているような感じです。」
kintoneに関わる人たちに惹かれる理由を伺うと、“アジャイルに生きている”という共通点を挙げてくれました。
「みんなアジャイルに生きているんです。止まらずに、壁にぶつかりに行って、試行錯誤して、常に一歩先をより良くしようとしている。仕事でも、個人の成長でもそうです。だからその人たちに触れていると、『自分も立ち止まっていられない』とライバル心がわくし、勇気ももらえる。会社の中で足踏みすることもあるなかで、酸素ボンベで息を吸いに行っているような気分です。」
現在、飯塚さんが継続して取り組んでいるのが、kintoneに関わる人へのポッドキャストインタビューです。アプリの事例ではなく、その人自身にフォーカスを当てています。
「その人の趣向やキャリア、こんな人でもこんな壁に当たっていたんだ、ということをしっかり伝えたいと思っています。そこにはちゃんと再現性があるんです。ゲストの条件にはkintone認定資格のエキスパート合格者やkintone hiveの登壇者など、あえてハードルを設けています。『エキスパートを取ったから、やっと出られました』と言ってもらえるのは、やっぱりうれしいですね。」
“いいことを続けていたら報われる”を、本気で証明したい
最後に、これからの展望について伺うと、少し意外なキーワードが返ってきました。
「これからは“マネジメント”という言葉の意味や力が、より強くなると思っています。お金がなくても幸せだよね、という世界はあまり好きじゃなくて。みんなで仲良くしていたら、みんなが儲かった、得をした、上がってきた。感情も含めてね。そういう世界を実現したいし、自分も体現したい。日本昔話って、いいことをし続けたら金銀財宝を手に入れましたとさ、ってなかなかの欲求を書いているじゃないですか。でも、そうなるんだよと本気で証明したいんです。仲のいい仲間といいことをコツコツしていたら、人が集まって、いい仕事も集まって、結果がついてきた。そのチームワークあふれる社会の“先”を、定量的にも示していきたい。
kintoneに関わるなかで、年々アプリ作成の話より経営者と話す時間のほうが長くなっています。AIが出てきて、人がいなくても経営できるという話がこれから山ほど出てくる。そのなかで、人がいないとできないこと、AIがいるからこそ人が惹かれることに向き合っていきたい。僕は人が好きだと言い続けたいので、そのためにお金も含めたマネジメントが大事だと思っています。」
そして、この記事を読んでいる方へのメッセージもいただきました。
「チームワークって何?という人も、チームで働くことを体感したことがない人も、まだまだいっぱいいると思います。そういう方はぜひ連絡してほしいです。kintone hiveやCybozu Daysの会場で声をかけてくれるのでもいいです。最初の一歩のご連絡、お待ちしています。」
kintoneを手段に、人と人をつなぎ、“チームワークあふれる社会”を本気で広げていきたいと語る飯塚さん。これからの活動も楽しみです!飯塚さん、熱い想いを聞かせていただき、ありがとうございました!




