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  • 執筆者の写真キンビーズ応援団(Cybozu)

誰もが始めやすく、使い続けやすいkintoneにするための支援を福岡からーーkintone Café 福岡にかける想い

更新日:2020年5月26日

株式会社AISIC 久米 純矢さん



2012年に個人事業主としてAISIC(あいしっく)を立ち上げ(2014年に「株式会社AISIC」として法人化)を立ち上げ、福岡を中心にシステムの開発・提案を行っている久米さん。

2014年8月からはkintone エバンジェリストとしての活動をスタート。ユーザー主体のコミュニティであるkintone Caféの開催や kintone をつかった業務改善支援など、精力的に活動をされています。

今回は、そんな久米さんが行うkintone エバンジェリストとしての活動の一つである、kintone Café福岡にかける想いを中心にお話を伺いました。

 

わからない立場にいた経験が、今、人に伝える立場にたつ原点に

2011年、とあるセミナーでたまたま kintone の存在を知ったことをきっかけに、どんどん kintone の魅力にのめり込んでいったという久米さん。2012年、第2回kintone Café 福岡への参加を皮切りに、第4回からは主催を担当。2020年5月時点で第19回を迎えた現在に至るまで、運営メンバーの中心に立っています。

現在このように、 “人に伝える立場”になることも多いという久米さん。その原点は、自身の経験にあると語ります。

「コードもまったく書けない中、いわゆる下請けSIerであるソフトウェア開発会社に新卒で入社しました。当時は、丁寧な指導があるというよりも『とにかく背中を見て学べ!』みたいな時代だったので。(笑)入社後は毎月自分で3~4冊本を買っては、必死で勉強しスキルを磨きました。当時の“わからない立場”だった自分の経験が、今、人に教えたり知識を共有・発信したりする土台になっています」

 

kintone Café運営をする中で抱えた葛藤を乗り越えられた理由は、自らが主催者となる意味をみつけたこと

開催回数も順調に重ねる福岡支部ですが、主催者として行き詰まりや葛藤を抱えていた時期もあったそうです。

「はじめは kintone がとにかくすごく面白くて、『もっと知りたい、知識を共有し合いたい!』と思ってkintone Café 福岡の主催をはじめました。ですが、回を重ねるにつれて、徐々に開催に対する行き詰まりや負担を感じ始めました。自分の持つ知識や経験が増えるにつれて、『 kintone についてもっと知りたい』というモチベーションが低くなったのが主な原因だと思います。正直に言うと、kintone エバンジェリストだし、主催なんだからとにかく開催しなくちゃ、という義務感に追われていた時期もありました。その当時は、『なんで自分だけが主催者になっていて、こんな大変な思いをしているんだ』という思いを抱え込んでしまっていましたね。」

そんな行き詰まりや葛藤を乗り越えた経験について語ってくれました。

「考え方の変化の転機になったのは、コミュニティーマーケティングについてのイベント『CMC_Meetup』で聞いた小島英揮さんのセッションです。kintone Caféの運営を始めたばかりのころは『なんで自分ばかり…』という思いを抱えていたけれど、彼の話を聞いて、その当時自分から協力を求めるアクションを起こしていなかったし、それだから一緒にやってくれる人がいなかったことにも気付かされました。

誰かに何かを任せるということは自分にとっての課題でもあったので、kintone Café運営はそういった意味での練習の場になっているし、自身のビジネスにおいても新入社員を迎え入れる際などにこうした経験がすごく役立っています」

運営に行き詰まっていた当時、思い返せば誰にも頼らず何でも一人でこなしてしまっていたという久米さん。しかし、kintone Caféでの運営を通して、人になにかを任せたり、関わってくれる人を増やしたりするために努力することを大切にするようになったそうです。一時は義務感さえも感じていた主催という役割に対して、『これこそが自分にできることだ』と思えるようになったことも葛藤を乗り越えるきっかけになったといいます。

「kintone エバンジェリストとしての肩書やkintone Caféのような場で登壇する機会があることで、『あの久米さんなら話を聞いてみようかな』と思っていただけることがある。kintone Caféのような場づくりをすることは大変なことも多いですが、今はこれこそが自分にできることだと思っているし、『久米純矢』としての自分を知ってもらえる貴重な場になっています」

 

「誰でも参加しやすい雰囲気を作りたい」、その根底にあるのは kintone の裾野を広げていきたいという想い

「kintone Café 福岡では、とにかく“普通の人”に気軽に参加していただけるように心がけています。kintoneの管理者になって実際に触っている人って、エンジニアよりもバックオフィス系の方が多いと思うんですよね。『テクニカルな分野について知識をどんどん共有していこう』というよりも、そういう『頑張って kintone を作ってみよう』としている方たちに学びを持ち帰ってもらいたいと思ってやっています」

“普通の人”にもっと光を当てたい、これこそがkintone Caféのような場をつくる理由だと語ります。

「実際、普通に会社員をやっていたら知らない会社の人たちの前で発表する機会ってなかなか無いし、それって凄いことじゃないですか?普段は社内でなかなか光が当たらなそうな人に、どんどん光を当てていきたい。kintone Caféは長くつかっているユーザーとこれから始めたいと思っているユーザーが自然に交わることができる貴重な場所です。だからこそ、kintone hive( kintone の活用アイデアをユーザー同士で共有するライブイベント)の前段階のようなイメージで場作りをしています」

多様な開催スタイルが存在するkintone Café。そんな中、福岡は「あたたかい」という言葉を貰うことも多いそうです。

「『福岡はあたたかいよね』とか、そういった言葉を貰えることは本当にうれしいです。福岡は、誰でも参加しやすい雰囲気作りをすることによって、とにかく kintone の裾野を広げることに注力しています。僕自身もそれを意識しているところはもちろんありますが、運営メンバーのみんなとの間にも『裾野を広げたい』という思いは共通のイメージとして存在しています」

 

kintone Café福岡にまた足を運びたい、そう思ってもらうためにこだわる開催のスタイル

そんな「裾野を広げたい」という運営メンバーの想いは、kintone Café 福岡で度々実施されているスタイルである「問題解決セッション型」にも強く反映されています。この「問題解決セッション」とは、実際に kintone を導入しているユーザーが登壇。そして、彼らの運用方法の紹介はもちろん悩みや困りごとについても共有し、参加者みんなで話合って解決案を考えるというやり方です。このスタイルにこだわる理由について、聞かせてもらいました。

「登壇者は、現場で問題に直面して、困っていることがある人。その人に、解決の糸口を見つけて帰ってもらい、現場に反映してもらうことが一番の目的であり、私達のつくるkintone Caféの軸だと思っています。なので正直、集客などにもあまりこだわってはいません。登壇いただいた方が『来てよかった』『帰ってから取り組んでみたい』と思ってもらえることが一番大事だと思っています」

登壇される方のハードルも低くなるように、彼らが必要な準備は極力少なくなるようにしているといいます。

「必要なのは自己紹介と、 kintone に関してうれしかったこと・困ったこと、これだけ用意してもらえればOKと伝えています。全然話もうまくなくて大丈夫。そこは僕たち運営メンバーがうまくファシリテーションして、カバーしあえればいいと思っています」

まずは「kintone Caféは有益な情報が得られる場」だと思ってもらうことが、また足を運んでもらえるきっかけの大切な第一歩だと語る久米さん。また、こうした場でユーザー同士が情報を共有し合う価値についても語ってくれました。

「 kintone は所詮、業務システムの一つです。だからこそ、使うユーザーさんによってその姿は千差万別になります。各社の異なった視点の活用法を知ることはお互いに新たな気付きを得られるし、僕のような提案する立場にとっても自分自身の引き出しになる。それぞれのkintoneの姿を共有し合う場を作ることは、ものすごく価値のあることだと思っています。」

 

開発の標準化を進めたいーー誰もが始めやすく、そして使い続けやすいkintoneにするためにできること

ここまでkintone Café運営の立場としての想いをお話してくださった久米さん。最後に kintone の開発を支援する立場からとしての、今後の活動の展望を語ってくださいました。

「ここ数年、kintone hiveの内容をみていると、少し前のkintone hack(対戦形式で kintone カスタマイズのアイデアを披露するイベント)で話されていたレベル感のものがどんどん出てきていますよね。 kintone にとって今後もっと開発できる人を増やしていくことは大切な要素の一つだと思っています。そのためにも、開発の標準化というか、選択肢の一つとしての開発ハードルを下げる活動を進めていこうとしています。具体的には、開発のコツの集約や品質担保のためのガイドラインのようなものを作成し、発信していきたいです。この点においても、kintone Caféでも共通して言えることですが、 kintone の裾野をいろいろな人に対して広げていく支援を、そして使い続けることへの障壁ができるだけ少なくなるようなアプローチを、今後も積極的に続けていきたいと思っています」

久米さん、どうもありがとうございました!

2020年4月27日にオンライン開催された「kintone Café 福岡 Vol,19」の配信アーカイブ


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