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執筆者の写真キンビーズ応援団(Cybozu)

縁ある人を大切に「kintoneを使って『はたらく』をオモシロク」する支援を

更新日:3月7日

有限会社矢内石油 専務取締役

矢内 哲さん


2024年2月を以て、矢内 哲さんはkintone エバンジェリストを卒業されました。今後も kintone を支える立場の一人として引き続きkintone に関わり続けてくださいます。


有限会社矢内石油の経営に関わる傍ら、2018年2月にkintoneを用いた業務改善支援コンサルティング事業を開始。同年のkintone AWARD(その年で最もキラリと光る活用をした企業を表彰するイベント)ではグランプリを受賞。2019年11月からkintone エバンジェリストとしての活動をスタートさせました。今回はそんな矢内さんに、業務改善支援へのこだわりやkintoneと自身の人生理念の重なり合いについてお話を伺いました。

 

導入するシステムをいかに業務の中に溶け込ませるか、にこだわってきた


専務取締役を務める矢内石油では、もともとガソリンスタンドの経営やLPガスなどの燃料販売はもちろんのこと、そこから派生して車のコーティングや住宅系のリフォームなど、地域密着型で幅広いビジネスを展開。矢内さんはその経営の傍ら、業務改善の支援を行うコンサルティング業も行っています。

元をたどれば、先述のリフォーム事業の中でkintoneを取り入れたのが矢内さんとkintoneの出会い。サイボウズLive(サイボウズが提供していた無料グループウェアサービス。現在は提供終了)からの移行で、同じ提供会社からでていたkintoneを検証し始めたのがきっかけだったそう。当時から、システムを導入する際にこだわっていた点があるそうです。

(kintone 導入時の事例はこちら:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/yanaisekiyu.html

「システムを導入する際には、いかにシステムを普段の業務の中に溶け込ませることができるか、ということをすごく意識していました。これは、サイボウズLiveやkintoneに出会う前から意識していたことですね。なのでkintoneを初めて導入した当時、ベンダーさんと話すときは必ず自分達の業務を伝える際、5W1Hを意識するようにしていました。いつどこで誰がその仕事をおこなうのか、どのくらいの時間でやらねばならないのかなど、できる限り自分たちの仕事の流れを業務シーンとして理解してもらえるようにお伝えしていました。例えば、データを入力する時にPCを立ち上げてから2クリックかかるのか、10クリックかかってしまうのか、そのくらいの粒度で業務とシステムのあり方を考えながら導入を進めていました。この時の経験は、今kintone エバンジェリストとして活動する中でも土台になっている部分です」

 

ユーザー目線に立つために、業務フローを深く追求する


ご自身の導入経験でも現場目線を強く意識し、また、現在行っている業務改善支援でもユーザー目線を貫く矢内さん。その根底にある想いを伺いました。

「自分自身、すごく面倒くさがりなんです。だから、システムを入れて面倒なことになるのは、本末転倒だという感覚が強くありました。いくら“優秀“と言われるシステムを入れたって、そのシステムに振り回されて疲弊してしまったら使い続けることなんて不可能ですよね。それもあって支援をする際には、業務フローにとことんこだわって考えるようにしています。支援し提案する身として、フィールド構成が浮かぶだけじゃ自信を持って提案できない。具体的な業務フローを深く追求し、使い方も含めてそれとkintoneがうまく合致したときようやくシステムとして使えるものになる。だからこそお客様が使うシーンの一つ一つが具体的にイメージできるぐらいまで、彼らの業務フローを深く探求するようにしています」

 

kintoneの魅力は、業務フローを軸にしてシステムを組めること


また、業務改善支援をする上でのkintoneの魅力は、システムありきでなく業務フローありきで進められる点にあると矢内さんは語ります。

「kintoneを用いて支援する際は、私自身がアプリの設計者でもありますが、業務フロー設計者としての役割も併せて担うことも多くあります。そのため、業務フローを軸としてシステムの構築を進めることができる。ここがkintoneの最大の魅力だと思います。kintoneは要件定義をしてつくらずとも、現場の方の空気感や温度を反映させながら目の前で作ることができますよね。通常のシステムだと、業務の設計者とシステムの設計者が別になってしまうので、どうしても両者の接点が薄くシーンに落とし込まれないものができてしまう。kintoneであれば、業務フローを軸にベースとなるアプリをつくり、現場に使ってもらいながら実証実験を重ねられる。そうすると、業務フロー側もアプリ側も不具合が見えてくるので、両者の改良をしながらアップデートをしていくことができますよね。このように、決してkintoneのアプリだけで業務改善しようとはしておらず、そもそもの業務フローに問題があればそちらにもしっかりアプローチする支援をしています」


 

成長や喜びを生む“人の可能性”に貢献する業務支援をしたい


kintoneによる業務改善支援事業を行う目的は人の成長を側面から応援したいという想いから、と語る矢内さん。「kintoneを使って考える業務改善のための1日合宿」として矢内さんが企画するBootCamp for kintoneという勉強会にあたっては、収支を見ないと決めているほどだそう。縁づくりや人に業務改善のきっかけを与えるために活動をしている矢内さん。なぜ、業務改善支援に対してここまで熱心に向き合えるのか、その理由を伺いました。

「私の人生理念は、“場づくり、縁づくりを通じて、縁ある大切な方の可能性の探求に貢献し続ける”ことです。この人生の目的に、たまたまkintoneによる業務改善支援がマッチした、というのが近いかもしれません。実際、支援したお客様に『若手のスタッフが成長しました』とか『自分の可能性に気が付きました』とか、そういった言葉をもらうとすごく嬉しいんですよね。また、人が自分への可能性を感じる体験というのは、多くの仲間との関わり合いや“私は成長できる”という自信の中でこそ生まれるものだと思っていて。だからこそ、個人相手ではなくあくまでもチームや会社という単位を相手にするようにしているのです」

 

「kintoneを使って『はたらく』をオモシロク」する支援を続けたい


最後に、kintone エバンジェリストとしての今後の展望について伺おうとすると、矢内さんから次のようなフレーズがでてきました。

「kintoneを使って『はたらく』をオモシロク」

これは、2018年から業務改善支援を事業にしようと決めたタイミングで、明確にテーマとして掲げたフレーズだそうです。ベースにあるのは、かつてガソリンスタンド閉店後に行っていた手作業の伝票処理作業によって、毎日1時間30分の残業に追われていた矢内さん自身の記憶。2010年頃この業務にシステムを導入することで、この残業が1時間20分削減された経験があると語ります。

「毎日続く1時間30分の残業が、システムの力によって10分に短縮された。これは当時、本当に感動する体験でした。閉塞感で蓋をされていたハッチ(扉)が、パカッと開く感覚があったんです。この体験をきっかけとして、はたらく環境をよくすることがどんどんおもしろくなっていきました。当時私が体験したことを、他の人にも感じてほしい。そこで生んだのが『kintoneを使って「はたらく」をオモシロク』というフレーズ。今後もこのフレーズのもと、“変わりたい”と思っている人に対してどんどん手を差し伸べて行きたいです。ただ私自身、自分の出す情報が独り歩きしてしまったり、中途半端に伝わったりしてしまうリスクのあるマスメディア的な活動には少し苦手意識を持っています。だからこそご縁のあった大切な人に徹底して向き合い、kintoneを使うことで良い未来をみせ続けたい。今後も私なりの縁を深く追求し、人と人そして人と情報をつなぎながら、業務改善のあり方を広めていければと思っています」

矢内さん、ありがとうございました!

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