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kintoneというプラットフォームで、個人事業主の限界に挑みたい

ラジカルブリッジ

代表 斎藤 栄 さん

札幌を拠点にkintone のアプリ構築、カスタマイズを行う斎藤 栄さん。“クラウドおじさん“の愛称で親しまれ、ユーザー主体のコミュニティであるkintone Caféの創始者でもあります。2014年のkintone エバンジェリスト制度発足時より活動され、現在もプラグイン界隈やユーザーコミュニティにおいて大きな存在感を放っています。今回はそんな斎藤さんの、kintoneとのこれまでの関わりやビジネス観についてお話を伺いました。


16年勤めた企業を退職、選んだのは「誰かの下で働く」のではなく「独立」という選択肢


札幌で生まれ育ち、就職を機に上京。金融システムのSEを3年経験した後、札幌へ戻りIT企業へ入社。16年ほど勤め上げた後、独立という経歴を持つ斎藤さん。まずはこれまでのキャリアについて伺いました。

「大学を出て一度上京して就職しましたが、金融システムの構築にあまり面白みを感じられなかったことや、札幌の住みやすさを改めて実感し3年で退職。その後は、札幌の小さなIT企業に入りました。それまでと真逆の文化でしたが、居心地もよく開発の楽しさを感じていました。しかし、気づけば16年。自分も40歳近くなって、社長直下の立場になっていたんです。社長と距離が近くなると、お互いの意見や価値観の相違もでてくるようになって、また仕事が楽しめなくなっていました。『誰かの下で働くのはもう合わない』と感じ、2012年に即断で独立。実はプランも準備も全くない中での独立でした(笑)」

漠然と、“システム開発はお金と時間がかかるもの”という価値観を壊し、ITツールやクラウドシステムを活用することで小規模事業者のIT支援をしたいと感じていた斎藤さん。そこへ kintone との出会いが訪れます。

「友人からお金が無いけどシステム開発をしたい、という相談を受けたんです。色々調べる中で出てきたのが kintone でした。ユーザー自身が作り使えるという驚き。ここから、kintone でビジネスができないか模索し始めました。私自身のプログラミングとの出会いは12歳のときBasicという言語でした。12歳の自分が楽しいと思ってわくわくしていた感覚を、kintoneに出会ったときも感じていましたね

サイボウズへの直談判と、kintone Caféのはじまり


2013年の春にkintone と出会った斎藤さん。その年の11月に東京で行われていた「cybozu.com カンファレンス 」(現在のCybozu Daysの前身である、サイボウズの総合イベント)に早速足を運び、サイボウズに対して熱い想いを語ったそうです。

「当時、『青野社長への質問をどうぞ』のような感じで参加者にゲストスペースのような場が与えられていて、そこにすごい勢いで書き込みました。開発者ライセンスは無いのか、とか、コミュニティを作ったほうが良い、とか。今思うとすごく偉そうですが、この書き込みによってカンファレンスの当日kintone担当の方と話す機会を持てたんです。熱い想いを話すと、対応してくれた2人も感激してくれて。これがきっかけで、サイボウズの皆さんと接点を持つようになりましたね。北海道に熱い人がいる、と認識してもらえたんじゃないかなと思います」

kintone でビジネスをしようと思っても、そもそも知っている人がいないんじゃしょうがない、と感じていた斎藤さん。カンファレンスからなんと1ヶ月後の12月、第1回 kintone Café 札幌を開催。参加者の中でkintone ユーザーはもちろん0人。kintoneに興味を持った友人や知人が参加し、ハンズオンを行ったそうです。

「東京で『札幌に帰ったらコミュニティをやってみます!』と告げて帰ったこともあり、勢いで開催した感じもありますが、“無いもの“を最初に創り出すことはすごく怖かったです。しかし、今やkintone Caféは自走して全国各地に広がり、技術者だけでなくエンドユーザー層の参加もとても多い。私が第2回を開催するときに掲げたkintone Caféの理念があるんですけれど、あの理念通りの優しい雰囲気が出来上がっているなと感じています。私自身、創始者ではあっても、リーダーでもないし偉い訳でもない。でも、コミュニティの成功例として、JAWS-UG(Amazon Web Servicesが提供するクラウドコンピューティングを利用する人々のコミュニティ)などに並んでkintone Caféの名前があがっているのを目にすると、すごくうれしいです

kintone に即したカレンダー機能を、当たり前につかって欲しい


現在斎藤さんが提供するプラグインカレンダー Plusは、kintone のカレンダープラグインといえばすぐに名前があがるほど多くのユーザーのニーズを叶えています。ここからは、この「カレンダー Plus」についてお話を伺いました。

「2014年ごろから kintone のカスタマイズ案件を受ける中で、カレンダー表示のカスタマイズ依頼を受けることがあったんです。kintone のカレンダー機能はすごくシンプルなので、それに物足りなさを感じる声が一定数あることを知りました。そこで、汎用的に使えるようにしたら需要があるんじゃないかな、と思ったのが開発のきっかけです

サブスクリプション型のサービスであるkintone に対して、買い切りの販売体系をとっている「カレンダー Plus」。その理由についても伺いました。

「カレンダー機能って、鉄板の機能だと思うんです。kintone に即したカレンダー機能を、皆さんに当たり前に使ってほしいという想いもあって買い切りにしました。またそうすることで、kintone 界隈における『カレンダー Plus』 や社名であるラジカルブリッジの認知を高めたいという想いもありました。もともとはそういう意図で買い切りにし、異なるプラグインでサブスクリプション販売をしようと思っていたのですが…。(笑)なかなか個人事業ということもあって忙しく、そこまで行けてないというのが正直なところです」


札幌のいち個人事業主が、どこまでやれるのかチャレンジしたい


斎藤さんは個人事業主の形態をとり、カスタマーサポートはもちろん、「カレンダー Plus」の言語対応やカスタマイズ機能の追加、モバイル対応など幅広い機能アップデートも1人でこなしています。なぜ法人化せずたった1人でビジネスを継続されるのかその訳を伺いました。

「前職をやめた理由と、近いものがあります。当時社長と自分は何が違うのか考えたとき、社長はリスクを負う経営者ですが、ただ雇われている身の自分とはメンタリティが根本的に異なっていることに気が付いたんです。人を雇うと、雇われた人は絶対に経営者目線になれないと感じていました。

加えて、札幌のいち個人事業主がkintoneというプラットフォームと出会い、ここまで来たというのが、自分自身すごく感慨深いんです。対面開発・プラグイン販売、それらを通して日本にとどまらずアメリカや東南アジアにも販売が少しずつ広がっています。今後も、個人事業主という形態で、どこまで行けるのかチャレンジしたいと思っています。

最後にkintone エバンジェリストとしての今後について伺いました。

「kintone エバンジェリストの役目をもらって6年ほどが経ちました。以前は主催していたkintone Caféも、最近は“Caféを始めた人”という立場で各地から呼んでもらえることも増えました。いい意味で活動の余白ができ、新たな関わり方をできていると思います。任命当初に比べてkintone の認知も格段に広がったので、すこし貪欲さが失われたかも?と感じることもありますが。(笑)今後も自分なりの関わり方で、kintoneの伝道に寄与していきたいと思っています」

斎藤さん、ありがとうございました!

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