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NPO・福祉・市民活動という”IT投資やシステム活用の難易度が高い環境”にこそ、「できる」のひらめきとともにkintoneを。“自立自走できる”ところまで、全国を歩いて届けたい

執筆者の写真: キンビーズ応援団(Cybozu)
キンビーズ応援団(Cybozu)
4 時間前
読了時間: 6分

hug-luma(はぐるま)/NPO法人きみたす

二河 等さん



大手システム会社でインフラエンジニアとして9年間働いたのち、認定NPO法人フローレンスへ転職、現在は個人事業のhug-luma(はぐるま)とNPO法人きみたすを軸にする二河 等さん。非営利・福祉の業界を中心とした業務改善コンサルティングとkintoneの活用支援を、日本全国において対面で行っています。今回はそんな二河さんに、これまでのキャリアと現場での支援のかたち、そしてこれからのkintoneへの想いについてお聞きしました。



エンドユーザーの顔が見えない、その違和感が自分をNPOの現場へ運んでくれた


二河さんのキャリアの出発点は、大手システム会社のインフラエンジニアでした。9年間その仕事に携わるなかで、次第にある違和感を抱くようになったといいます。


「インフラの仕事は、社会の土台を支えている実感がありました。ただ、自分が関わった仕組みを最後に誰がどんな顔で使っているのかが、どうしても見えづらかったんです。エンドユーザーの顔が見えないまま働き続けることに、だんだん疑問を持つようになりました。」


転機になったのは、お子さんの病児保育でした。そこで利用したのが認定NPO法人フローレンス。サービスの利用者として関わるなかで、団体の活動そのものに強く共感していったそうです。


「もともとは家庭の事情もあって、専業主夫になるつもりでいましたが、フローレンスからシステム担当の求人があったことと、パートナーからの後押しも重なり、気づけばソーシャルセクターに飛び込んでいました。」


入職後に二河さんが取り組んだのが、様々なグループウェアの運用管理と、事業におけるkintoneの活用推進でした。2017年から数えると、kintoneとの付き合いはすでに10年近くになります。サービスの利用者として出会った団体に、事業を運営する立場として入っていくキャリアの歩みとなっていきました。



NPO・福祉の業界は“ITへの投資や活用の難易度が高く、業務改善が難しい”。だからこそ、ほぼ対面で全国を回っている


コロナ禍に入ると、NPOからkintoneの支援を求める声が二河さんのもとに増えていきました。それをきっかけに個人事業としての活動を開始。現在はhug-lumaとNPO法人きみたすという二つの入り口で、同じ「非営利・福祉の業務改善伴走支援」に取り組んでいます。二河さんがこの領域にこだわる理由をお聞きしました。


「NPO・福祉の業界には、”環境や構造の課題が多く存在する”と思っています。人々の生活に一番近いところで動いているのに、システムを構築・運用する人材がまだまだ少ないと感じています。それもあってか、業界としてや、事業として活用できる最新技術の情報を集める手が足りない状況にあると思っています。


また、デスクワークよりも多くの時間を「支援」に充てる現場が多く、「この現場でどんな改善ができるかをみてほしい」という気持ちを持つ人も多いと思います。だから私は「オンラインでもできるアドバイスや伴走」を、ほぼ対面で伺うようにしています。8〜9割の団体が『忙しいけれど、何から手をつけていいかわからない』という状態からのスタートなので、まずは業務フローや課題の交通整理から入って、「どうありたいか」を言語化します。その実現に適していると判断できればkintoneをご提案する。順番はいつもそうです。」


一度伴走した団体からの紹介で、次の団体につながっていくことも多いといいます。


「団体に過度な負担をかけず、かつお互いが持続可能な支援の形を模索していきたいと思っています。チーム応援ライセンスが適用できる団体があれば、積極的に入っていきたいですね。」


二河さんが伴走している団体は“氷山の一角”で、その下には支援が届いていない団体がまだ数多くいる。お話を伺いながら、そのことを強く実感しました。


目指しているのは“自立自走できる”状態。1,000近いアプリを、団体自身の手で回す


チームを巻き込んだkintoneのサクセスストーリーについて伺うと、二河さんが挙げたのは新しいアプリでも派手な連携でもなく、「管理者を増やしたこと」でした。


「団体のサスティナビリティを第一に考えて、文系の団体職員の方を中心に、システム管理者を複数名体制にしました。それまではkintoneに精通した方やシステムに理解が深い方が限られたメンバーだけだったのですが、そこから裾野が広がって、今では自分たちで解決しながら1,000近いアプリと、1,000人を超えるkintoneユーザーを管理して活用していただいています。


複雑な案件や、外部連携サービス・プラグインの活用については、都度オンラインでレクチャーを実施しています。最新の技術やより高度なスキルを団体のメンバー自身に知ってもらうことで、平時の運用は自立自走できる状態になっています。中の人たちの覚悟と「学ぼうとする姿勢」が、本当に素晴らしいと思っています。」


複数の団体が共存するkintone環境を構築してレクチャーを重ねたことが、「うちも独立してkintoneの環境を持ちたい」という次の相談を呼ぶ。企業向けの研修案件では市民開発の大切さを伝え、社内からノーコードエンジニアが生まれることを後押ししています。SNSやnoteでの発信では、kintone SIGNPOSTの考え方をベースに、そもそも業務改善を進めるうえで着目すべきことを言葉にし続けています。



kintoneが当たり前に日常にある景色をつくりたい


サイボウズ公認 kintone エバンジェリストという制度を知ったのは、尊敬する知人がすでにエバンジェリストとして活動していたからでした。


「先人のエバンジェリストの方々が、kintoneのエコシステムを広げてきたことに強いリスペクトがあります。私も発信を強くして、まだ情報が届いていない場所や非営利・福祉の業界の方々に届けたいと思っています。kintoneがあったから持続可能になった事業がある、ということを声を大にして伝えたいです。エバンジェリストとしての発信で、これからkintoneを活用したいと考える方々へのヒントになったり、まだサービス自体を知らない潜在層にも届けられるようになるかと思います。」


最後に、kintoneを通して実現したい理想について語っていただきました。


「Microsoft 365が業務に欠かせないものとして浸透した時代のように、kintoneの活用が世の中の日常に当たり前にある状態を目指したいです。とくに非営利や福祉は、人々の生活に密接に関わる領域です。そこにkintoneが当たり前のように存在することで、さまざまな情報のやり取りが改善・効率化され、そしてチーム感の創出に強くつながっていくと思っています。


市民開発、内製、ノーコードで『今よりさらによいものを、みんなで探究する』という文化そのものを、kintoneをもっと広く知ってもらうことで叶えていきたい。10年で1,000団体、といった具体的な数値目標も持ちたいと思っています。」


全国を回る原動力は、支援への想いだけではありません。公共交通機関を使った移動が趣味で、まだ訪れたことのない土地に行くことが何よりの喜びだという二河さん。「40代のうちに、業務改善の仕事で47都道府県すべてを訪問する」ことが直近の野望だといいます。これからの活動が楽しみです!


二河さん、ありがとうございました!

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