現場を渡り歩いた経験を活かし“定着する仕組み”を。「もっと楽になろうよ」を社内外に広めたい

株式会社チクブパッケージシステム
筋 由樹廣(suji)さん

これまでに、訪問営業、倉庫オペレーター、生産管理、総務、社内PMOとあらゆる職種を経験し、現在はシステム推進室の室長としてkintoneの推進を担っていらっしゃる筋さん。今回はそんな筋さんに、これまでのキャリアと現場に寄り添い続けてきた発信活動、そしてこれからのkintoneへの想いを伺いました。
現場を渡り歩いた経験が、そのまま“定着する仕組み”の土台になった
ご所属企業は、流通加工から物流までを手がける会社です。kintoneに携わってすでに6年ほどになる筋さんですが、そこに至るまでの職歴は驚くほど多岐にわたります。
「訪問営業から始まって、営業事務、倉庫オペレーター、フォークオペレーター、生産管理、受発注、MD、販売企画、ヘルプデスク、総務、システム管理と経験してきました。その後は社内PMOとして、受発注システムの刷新や社内ネットワークの更新、構内カメラの刷新、勤怠管理や生産管理の導入なども担当しました。」
一見バラバラに見えるこの経歴が、今の筋さんの強みになっているといいます。
「現場部門と管理・経営の間に立って、目的・指標・入力負荷のバランスを取りながら『定着する仕組み』に落とし込むのが得意です。どちらの立場も自分が実際にやってきたので、現場が何を面倒だと思うのか、経営が何を今すぐ知りたいのかが想像しやすいんだと思います。」
現場の“面倒”を身体で知っている筋さん言葉には、強い説得力があります。現在はシステム推進室の立場で、アプリの設計やメンテナンスに加え、作成者の育成や運用ガイドの整備も進めているそうです。標準機能+プラグインを基本に、昨年末からは必要に応じてJavaScriptで小さく補完するというスタイルをとっています。
半月かかっていた集計が当日に。鍵になったのは“現場合意”だった
筋さんが社内で進めてきたkintone導入のなかでも、大きな転機となったのが作業実績の集計でした。
「以前は30ライン・8事業所の作業実績をそれぞれExcelで個別に入力していたため、デイリーデータの集計に最長で半月かかることもありました。それによって、経営判断が遅れてしまうことが課題でしたね。」
そこで筋さんは、まず「現場が何を報告しているか」「経営が当日見たい指標は何か」を現場リーダー・管理部門・経営層で擦り合わせ、目的とマイルストーンを設定しました。
「現場の負荷を増やさないよう、入力ルールは現場合意で決めました。そのうえで作業実績管理アプリを段階導入したんです。結果として転記作業をなくし、当日集計を実現できました。現場に入力が定着して、管理・経営側の意思決定のスピードも上がりました。」
最近では現場のほうから「kintoneで何とかならないか」と相談が来ることも増えてきたそうです。
「同じ成果なら、仕事は楽をすればするほど良いと思っているんです。最初は自分の業務を効率化したいだけでした。でも進めていくうちに、周りが楽にならないと巡り巡って自分も楽にならないと気づいて。だから今は組織全体で考えるようになりました。『もっと楽になろうよ』というマインドを、kintoneというツールを通して社内外に広めていきたいですね。」
失敗も含めて渡す。そこに“Giver”の集まりを感じたから
社内での実践と並行して、筋さんは社外への発信も続けてきました。キンコミでは2021年10月以降、毎月最低1件以上の回答を継続し、2026年1月時点で累計571件に達しています。
「単純に正解を教えるのではなく、質問者の背景を推測して運用観点まで添えることを心がけています。」
イベント登壇も重ねています。2024年のkintone hive東京では「キンコミで開く!kintone活用の新たな扉」、同年のCybozu Daysでは「同じ失敗はさせない!キンコミユーザーと語る kintoneしくじりトーク!」に登壇。2025年のCybozu Daysでは、サイボウズ Officeユーザーから見たkintone活用のリアルを語りました。kintone Caféにも東京・千葉を中心に参加し、LT(ライトニングトーク)での登壇実績も積み重ねています。
「うまくいった話だけを並べても、聞いた人が同じようにできるとは限りません。しくじった話こそ持ち帰ってもらえると思っています。」
成功だけでなく失敗も渡そうとするこの姿勢は、筋さんがエバンジェリストに感じた魅力そのものでもあります。
「Cybozu Daysでサイボウズ公認 kintoneエバンジェリスト制度を知って、実際にエバンジェリストのみなさんと交流する中で、kintoneの機能紹介だけではなく、それぞれのやり方で知見を渡すGiverの集まりだと感じたんです。」
サイボウズ公認 kintone エバンジェリストの応募にあたって、保有必須である資格試験の取得のために、通勤時間を勉強時間にあて「kintone認定 アソシエイト」「kintone認定アプリデザインスペシャリスト」の2資格に短期間で合格されたそうです。その行動力もまた、“Giverの集まり”に加わりたいという想いの表れなのかもしれません。
「日々少しずつラクになっていく」循環を、社内外に広げたい
最後に、筋さんがkintoneを通して実現したい世界についてお聞きしました。
「kintoneに関わる人が、日々少しずつ楽になっていく状態を増やしたいです。散在して見つからないデータや、目的の曖昧な全員CCメールのような情報の渋滞を、探せる・共有できる・改善できる形に整えていきたいんです。現場の負荷を増やさずに、業務の真の目的に時間を戻す。その循環を社内外で広げていきたいと思っています。」
これからはkintone SIGNPOSTの「現場主体の業務改善」を軸に、設計の考え方や定着のさせ方、運用の勘所といった再現性のある知見を、質問回答や登壇、コミュニティ活動を通じて共有し続けたいと語ります。
筋さん、kintoneへの熱い想いを聞かせていただき、ありがとうございました!




